世界の創造

 イスラームの神、すなわちアッラーについて考える際、いろいろと方法があると思います。ここでは、そもそもの「始まり」つまり世界の創造から考えてみたいと思います。

 神が世界を創造した、という考え方があること自体は日本でもそれなりに知られています。とはいえ、この考え方は少し不思議に響くかもしれません。例えば、Aさんがなにかをつくる、というのは身近に経験しており、すぐに理解できます。それに比べて、神が世界を創ったという考えは、少し時間をかけて考えてみる必要があるかもしれません。

 世界の創造に関して明確なイメージというものはなかなか持ちにくいと思います。いろいろな考え方があることでしょうが、何もない状態から世界が生まれたのだとするイメージはイスラーム的な考え方からは遠いといえます。つまり、原因と結果との因果関係を矢印で示すと「原因→結果」となりますが、無から有が生じる「無→有」というのはイスラームの考え方からは相当に離れた見方となります。

(K.S.)