日本語の神のもつ様々な意味

イスラーム(イスラム教)では、唯一絶対の神のことをアッラーと呼んでいます。この、アッラーという言葉が指し示す範囲と、日本語の神という言葉が指し示す範囲は、重複している部分もありますし、お互いに交わらない部分もあります。

  岩波書店 広辞苑第六版 DVD-ROM版は以下のように神を定義しています。

 かみ【神】

  1. 人間を超越した威力を持つ、かくれた存在。人知を以てはかることのできない能力を持ち、人類に禍福を降すと考えられる威霊。人間が畏怖し、また信仰の対象とするもの。(後略)
  2. 日本の神話に登場する人格神。(後略)
  3. 最高の支配者。天皇。(後略)
  4. 神社などに奉祀される霊。
  5. 人間に危害を及ぼし、怖れられているもの。
    (ア)雷。なるかみ。(後略)
    (イ)虎・狼・蛇など。(後略)
  6. キリスト教で、宇宙を創造して歴史を司る、全知全能の絶対者。上帝。天帝。→三位一体

 現在、日本語で神という言葉には、以上のような用法があるようです。

 神という言葉は超越的な存在から、身近な存在まで全てを指す言葉として使われています。恐らく、神という言葉の指示内容が時代と共に変化してきたのでしょう。

 日本語で神という言葉が使われた場合その指示内容が多岐にわたることに注意しないと、外国語に翻訳したりまたは外国語から翻訳する場合に誤解を招きかねませんので注意が必要です。

(K.S.)