アル=ムアッキバート(المعقبات)と呼ばれる天使達で、クルアーンでは
彼には前からも後ろからもムアッキバートたちがあり、アッラーの命令によって彼を守っている(13章11節)
とあります。ここで言われる、「彼」という言葉が誰をさしているのかということですが、イブン・カスィールの注釈書は「神の僕(しもべ)」とし*1、タフスィール・ジャラーラインという名前の注釈書は「人間」としています*2。
日本語訳されたクルアーンの注釈書は、ムアッキバートを「引き継ぐ者たち」と訳した上で、「彼を交代で監視する天使たち」とし、以下の説明を加えています*3。
夜と昼に交互にやって来る天使たちである。夜の天使が(天に)昇ると、昼の天使がそれを引き継ぎ、彼等はファジュル(注:夜明け前)とアスル(注:正午と日没の中間)の礼拝の時に一緒になる。そして、前からいた者が天に昇り、彼等にアッラーは尋ねて仰せられる、「わがしもべはどのようであったか」。すると、彼らは、「彼らが礼拝しているのを見ました」と答える。彼らは夜には5人、昼にも5人である。
*1 ↑
أي للعبد ملائكة يتعاقبون عليه حرس بالليل وحرس بالنهار
*2 ↑
“له” للإنسان “معقبات” ملائكة تتعقبه
*3 ↑ 中田 香織訳 『タフスィール・アル=ジャラーライン』 日本サウディアラビア協会、2004、第2巻、172頁