ミーナーイー陶器(あるいはミナイ手陶器)

ハフトランギー陶器とも呼ばれる
mīnā’ī ware  haftrangī ware

制作地 時代 彩画/色彩
おもにイラン 12世紀後半から13世紀前半まで 人物表現/多色
特徴など
ミーナーイーとはペルシア語で「エナメル」を意味する言葉*12。つまり、多色のエナメルで上絵が描かれた陶器を指す。ミナイ手陶器とも呼ばれ、この場合「手」は手法、型を意味するという*13。成形した器に白またはターコイズ・ブルーの釉薬を施して、窯で1回目の焼成を行う。その後、高温で定着する色の顔料で彩画・着色し、その度に焼成する。最後に、低温で定着する金を焼き付ける*14。なお、別名のハフトランギーは「七色」を意味するペルシア語*15



*12 岡野 智彦、高橋 忠久『タイルの美Ⅱ イスラーム編』TOTO出版、1994、42頁。
*13 http://www.meccj.or.jp/mikasa_library/katarukai/17th/17th.html
*14 岡野 智彦、高橋 忠久『タイルの美Ⅱ イスラーム編』TOTO出版、1994、42頁、桝屋友子「ミーナーイー陶器」『岩波イスラーム辞典』。
*15 岡野 智彦、高橋 忠久『タイルの美Ⅱ イスラーム編』TOTO出版、1994、62頁。