マスジド(モスク)は次のように定義されています。
マスジドは様々な定義がなされてきたが、それらのうち(で主要なもの)は(つぎのとおりである)。
アッラーへの礼拝を内部で行うために建てられた館。そして、それはアッラーとアッラーへの崇拝行為のためにだけ(存在する館である)。
また、アッラーを崇拝し跪拝することのできるすべての場所。その根拠は預言者の『私のために大地はマスジドとされ、また清浄なものとされた』との御言葉である。(注:ブハーリーの伝えるハディースで、日本語訳では1巻の145頁)*1。
また、慣習によって、マスジドは五回の礼拝のために用意された場所とされている。従って、大祭(注:年に2回ある祭りのこと)のために人々が集まるムサッラー(後述)は(マスジドの定義から)外れるため、その規定は
適用されない。同様に、リバートや学校も(マスジドの規定が適用されないが)、その理由はこれらの設備がマスジドとしてではなく用意されたからである*2。
つまり、跪拝する場所というマスジドの本来の意味に従えば、跪拝することのできるすべての場所がマスジドであるということになりますが、これでは混乱を招くので、慣習として一日五回の礼拝のために建てられた建物のことをマスジド(モスク)と言い習わしているということです。
(K.S.)
*1 ↑ また、同趣旨のハディースがムスリムのハディース集にも収録されている。『日訳 サヒーフ ムスリム』第1巻354頁参照。
*2 ↑
و في الاصطلاح: عرف بتعريفات كثيرة منها:
أنها البيوت المبنية للصلاة فيها لله فهي خالصة له سبحانه و لعبادته.
و كل موضع يمكن أي يعبد الله فيه و يسجد له، لقوله (ص) (جُعِلَتْ لِي الْأَرْضُ مَسْجِدًا وَطَهُورًا). أخرجه
و خصصه العرف بالمكان المهيأ للصلوات الخمس، ليخرج المصلى المجتمع فيه للأعياد و نحوها، فلا يعطى حكمه، و كذلك الرُّبط و المدارس فإنها هيئت لغير ذلك.