「無から有」か「有から有」か

 では、イスラームでは世界の創造をどのように理解しているのでしょうか。結論から言えば、「有A → 有B」、あるいは「存在A → 存在B」というのがイスラーム的考え方です。別の表現で言えば、そもそもアッラーが存在しており、そのアッラーによって世界が作られたということになります。つまり、存在Aがアッラーに、存在Bが世界に該当します。もちろん、「存在A → 存在B」という表現は、アッラーが世界になったという意味ではありません。

 アッラーの存在とはどのようなものか、ということについてイスラームの学者たちはいろいろと考えてきました。

(K.S.)