世界の存在とアッラー

 イスラームの学者が神が存在することを証明しようとするときに一番多く使うのは、因果律、すなわち原因があってこそ結果があるとする考え方です。今、目の前に本があるのは、それを作った人がいるからだ、というのが一番シンプルな因果律です。これを示すのが「すべての生起するものに関し、その生起には原因がある」(كل حادثٍ فلحدوثه سببٌ)という表現です。

 アラブ圏などでは、好奇心の強い人が多く、さらに色々な宗教について語ることがタブーではないようで、アッラーの存在について話が及ぶことがあるかもしれません。そのようなときに、「ここにペンがあるでしょ。それを作った人がいるはずですよね。それと同じように、私たちはこの世界に住んでいるけれども、その世界を創った存在がいるはずで、それがアッラー(神)なんですよ」という説明を受けることも多いと思います。

 このような説明を受けても、「それではアッラーを創った存在は何なのだろうか」という疑問が沸いてくるでしょう。それに関する説明を続けます。

(K.S.)