使徒間の優越

 「使徒たちのいずれの間にも区別をつけない」とのクルアーンの表現は、使徒たちの間に優越がないということを意味していません。それをはっきり指摘しているのは、他でもないクルアーン自体で第17章55節に

 かつてわれらは預言者のある者たちをあるものよりも優遇し、ダーウードには詩篇を授けた*1

とあります。

 また、クルアーンの第2章253節には

 これらの使徒のある者たちをわれらは別のある者よりも優遇した。彼等の中にはアッラーが語りかけ給うた者もあり、ある者は位階を高め給うた。また、われらはマルヤムの子イーサーには明証を与え、彼を聖霊によって支えた。*2

とあります。

(K.S.)


*1

وَرَبُّكَ أَعْلَمُ بِمَنْ فِي ٱلسَّمَٰوَٰتِ وَٱلأَرْضِ وَلَقَدْ فَضَّلْنَا بَعْضَ ٱلنَّبِيِّينَ عَلَىٰ بَعْضٍ وَآتَيْنَا دَاوُودَ زَبُوراً (الإسراء، 55)

*2

تِلْكَ ٱلرُّسُلُ فَضَّلْنَا بَعْضَهُمْ عَلَىٰ بَعْضٍ مِّنْهُمْ مَّن كَلَّمَ ٱللَّهُ وَرَفَعَ بَعْضَهُمْ دَرَجَاتٍ وَآتَيْنَا عِيسَى ٱبْنَ مَرْيَمَ ٱلْبَيِّنَاتِ وَأَيَّدْنَاهُ بِرُوحِ ٱلْقُدُسِ (البقرة، 253)