平凡社『イスラム事典』オンライン版の定義

 教友(サハーバ الصحابي، ج: الصحابة)という言葉は耳慣れない言葉だと思います。広辞苑第六版 DVD-ROM版にも記述がありません。

 現在、イスラームに関する日本語の専門事典は『新イスラム事典』(平凡社、2002年)と『岩波イスラーム事典』(2002年)が代表的なもので、平凡社の『イスラム事典』旧版はオンラインでも検索可能です*1。インターネット上では様々な辞典類が存在しますが、専門家による記名式の事典という意味において、執筆者すら不明なWikipedia等よりも信頼性が高いと言えるでしょう。他方、Wikipediaは地名などの固有名詞などを英語で検索し、その後表示言語をアラビア語に変えることにより、アラビア語での表現を知ることも出来るといった使い方もあります。それぞれの事典の特徴を踏まえて、上手に利用すればよいかと思います。

 オンラインの平凡社『イスラム事典』のサハーバの項目は以下のようになっています。

 サハーバ

 預言者ムハンマドの教友のこと。狭義にはムハンマドと苦楽をともにしながらイスラムの礎石を築いた人々であるが,一般には,ムハンマドの生存中にたとえ幼児であっても彼に1度でも接した人すべてをいう。サハーバは,預言者のスンナを伝えるハディースの伝承の過程を記したイスナードの冒頭の人物になるため,後世,その伝記が尊重された。(後略)(後藤明)


*1 http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~islam2/search.shtml