a.【岩波版】
誰に恵みをかけるのも、お礼ほしさのためでなく。
b.【中公版】
だれからも慈悲の報酬を求めるようなことはない。
c.【ムスリム協会版】
また誰からも、慈悲の報酬を求めない。
d.【黎明版】
誰も彼の許に(彼によってその誰かに対し)報いられるべき(過去に施した)恩恵を少しも有さず(※脚注)
※彼は誰かに報いる(返す)べき恩を過去に誰からか被っていたわけでもなく、また誰からも報恩を期待していなかったが、己の財産を与え、身を清めた。17-21節はアブー・バクルに関して啓示されたとも言われる。
e.【比較】
(1)【岩波版】【中公版】【ムスリム協会版】は意訳であり、【黎明版】はより逐語的である。
(2)逐語調の利点としては、スンナ派の以下の解釈が理解しやすいことにある。アブー・バクルとアリーは預言者ムハンマドに次ぐ有徳者として知られるが、アリーは預言者ムハンマドに衣食住などの厚恩を受けていたため、本節は報恩の必要がなかったアブー・バクルに関する啓示であり、もってアブー・バクルが預言者ムハンマドに次ぐ最良の人物であることを証するものであると言われる(cf.ラーズィーの注釈書[5])。
[5] ↑
http://altafsir.com/Tafasir.asp?tMadhNo=1&tTafsirNo=4&tSoraNo=92&tAyahNo=19&tDisplay=yes&Page=1&Size=1&LanguageId=1
http://altafsir.com/Tafasir.asp?tMadhNo=1&tTafsirNo=4&tSoraNo=92&tAyahNo=19&tDisplay=yes&Page=2&Size=1&LanguageId=1