第5の課題。知りなさい。この(アッラーフという)名前には、他の神名にはない特異性があり、我々はそれに触れてゆく。
第1の特異性。もしあなたが、アッラーフ الله という言葉から a|ا を削除したとしても、「アッラーフに」(li-llāhi|لله)という形に残り、これは至高なる【彼】のみに用いられる*1。
この残りからさらに初めの l|ل を削除すると、「【彼】に」(lahu|له)の形が残り、これは「【彼】にこそ諸天と地の鍵はある」(39章63節及び42章12節)や「【彼】にこそ王権はあり、【彼】にこそ称賛はある」(64章1節)と言われているとおりである*2。
さらに、残った l|ل を削除すると、残るのは【彼】(huwa|هو)という語であり、これもまた至高なる【彼】を意味し、「言え、【彼】はアッラーフ、唯一なる御方」(112章1節)と言われているとおりである*3。
そして、(【彼】huwa|هو という語の)wa|الواو は余分であり、その根拠はwaが双数形と複数形において落ちること、つまり(双数形では)「彼ら2人」(humā|هما)、(複数形では)「彼ら」(hum|هم)と(アラビア語話者である)あなたが言うとおりであり、両者(双数形と複数形)にはwa|الواو は残らないのである*4。
第2の特異性。信仰告白の言葉*5は、それによって不信仰者が不信仰からイスラーム(信仰)に移行する言葉であるが、そこにはこの(アッラーフという)名前以外(の神名)は生じなかった。従って、もし不信仰者が「私は慈悲深い方、あるいは慈悲あまねき方、あるいは王なる御方、あるいは聖なる御方以外に神はないと証言する」と述べたとしても、その者は不信仰から離れることもなければ、イスラームに入ることも無い*6。
それに対し、「私はアッラーフ以外に神はないと証言する」と述べれば、その者は不信仰を離れイスラームに入るのであり、これによって(アッラーフという)名前のみに存在する高貴な特異性が示されるのである。アッラーフこそは正しさへと導かれる御方*7。
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*5 ↑ 「アッラーフ以外に神はなく、ムハンマドはアッラーフの使徒である」、との文言。
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