第21の論点。(学者達は)この(アッラーフという)名前について、それが派生語(普通名詞)であるかそれとも本質に対して付けられた固有名詞であるかについて見解を異にしている。
多くの学者が前者(派生語説)を支持しているが、その起源や派生方については見解を異にしている*1。
シーバワイヒは「その(アッラーフの)起源がイラーフである」とアル=ハリールから伝えている。(中略)また、(アッラーフという)言葉の起源は lāha|لاه であるとも言われる(、としている)。以上が、シーバワイヒの見解である*2。
さらに、それは「思い惑うこと」を意味する waliha|وَلِهَ から派生したとも言われる。al-walaha|الوَلَه は「理性がどこかに行ってしまうこと」を意味する*3。
また、アッ=ダッハークから伝えられる伝承によると、アッラーフがイラーフと名付けられたのは、人間が切羽詰まった際に【彼】を「熱望(yata’allafu|يتألَّف إلى)する」からである*4。
さらに、それ(アッラーフという言葉)は「高遠」からの派生語(普通名詞)とも言われる。というのも、アラブはかつてあらゆる高い存在をlāha|لاه と呼んでいたからである。そして、太陽が昇った際には、「太陽がlāha|لاهした」と言っていたものである*5。
また、それ(アッラーフという言葉)は ‘alaha|أَلَهَ、つまり崇拝した、からの派生語(普通名詞)とも言われる。また、ta’allaha|تَأَلَّهَ は敬神を意味する。(中略)(この説を採る者達は)言う。アッラーフの名前がこのように派生しているので、アッラーフの意味は「崇拝行為の目的対象」となる。ここから、「神の唯一性」を主張する者たちによる「『アッラーフ以外に神はない』とは、『アッラーフ以外の【崇拝される者】はない』との意味である」という考えが出てくる*6。
また、彼らの一部はその(アッラーフという言葉の)起源をその場に居合わせないもの(第3人称)に対する間接表現である「彼」(h|ه، الهاء)であると主張する。というのも、彼らは自らの理性の本性によって【彼】が存在すると確証し、間接表現文字によって【彼】を指したのであるが、その後、【彼】が事物の創造者であり所有者であることを知ったために、所有を表すl|ل، لام الملك が付加されて「【彼】に」(lahu|لَهُ)となった。さらに、強調のために定冠詞のal-|ال が付加された(結果、اللهとなったからである)*7。
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