アッラーフの起源は、イラーフであり、ハムザが取り除かれ、定冠詞のalによって置き換えられた。そのため、「ヤー・アッラーフ(おお、アッラーフよ)」は断続ハムザ(همزة القطع)で言われるのである。但し、それ(アッラーフという言葉)は正当・適切な【崇拝される者】専用である*1。
元来、アル=イラーフはあらゆる【崇拝される者】に対して用いられていたが、その後、正当・適切な【崇拝される者】を指すことが優勢となった。その派生は「崇拝した(`abada|عبَد)」という意味に関係するイラーフ、神々(āliha|آلهة)、神的存在(’ulūha|ألوهة)、神性(’ulūhīya|ألوهية)(等の名詞)からであり、同様に、敬神した(ta’allaha|تأله)、神を求めた(ista’alaha|استأله)(等の動詞)がある*2。
また、「思い惑うこと」を意味する ’aliha|أَلِهَ から派生したとも言われる。というのも、理性は【彼】を知ることにおいて思い惑うからである*3。
あるいは、「’aliha ilā|أله إلى 、つまり~に安らぎを得た」から(派生したとも言われる)。というのも、というのも、理性はアッラーフの想念によって落ち着き、霊魂は神智によって安らぎを得るからである*4。
もしくは、「出来した事態から恐れる(فزع من)」を意味する ‘aliha|أله から、また、「保護を与える」を意味する ‘ālaha|آله から派生したというものである。困窮者が【彼】に逃れ(فزع إلى)、【彼】は実際にあるいは言葉によって保護を与えるからである*5。
あるいは、(親から)離れた子供が母親を「熱望する」という意味の ‘aliha |أله から派生したというものである。というのも、僕達は困苦において【彼】を希い求めるからである*6。
もしくは、「思い惑い、理性が消失すること」を意味する waliha|وَلِهَ から派生したとも言われる*7。
あるいは、「隠れる、高遠にある」を意味する lāha|لاه から派生したとも言われる*8。
*1 ↑
*2 ↑
*3 ↑
*4 ↑
*5 ↑
*6 ↑
*7 ↑
*8 ↑