アラビア語の説明をすると、どうしても難しいと言う言葉が中心になってしまうのですが、聖典研究という観点から見れば、意外に楽な言語かもしれません。
例えば、新旧聖書の研究や仏典の研究となれば、ある言語が他の言語に翻訳されて、さらにそれが他の言語に翻訳されて、その翻訳がなされた際にどのような経緯があったのか、といった緻密な実証的研究が特に近代以降は盛んに行われています。
それに比べればイスラームの場合、フスハーと呼ばれる「正則語」の基本構造は全く変化していないため、一般に書店に売られている幾つかの文法書の内容を完全に習得すれば、クルアーン(コーラン)やハディース(預言者の言行録)という約1400年前の言葉を理解するための基礎体力がついたことになります。