フィクフはシャリーアに比べるとより限定的な意味を持ちます。
もっともよく知られた定義は
個別的な典拠から演繹された、シャリーアの行為規範に関する知識・学問*1
というものです。
このシャリーアとフィクフの違いは
シャリーアとフィクフの間には、共通性と独自性がある。
両者はクルアーンかスンナ(預言者の言行)に見いだされたり、ウンマ(イスラーム共同体)の合意によって確定した行為規範において一致する。
そして、シャリーアは信仰に関する諸規定において独自であり、フィクフはクルアーンやスンナに明言がなく合意の徒(一定のレベルに達した学者たち أهل الإجماع)による合意もないイジュティハード(学問的努力)による諸規定において独自である。*2
と説明されています。
図で示すとこのようになるでしょうか。
(K.S.)
*1 ↑
الفقه: العلم بالأحكام الشرعية العملية المكتسب من أدلتها التفصيلية
中田 考『イスラーム法の存立構造』ナカニシヤ出版、2003年、5頁も参照
*2 ↑
و بين الشريعة و الفقه عموم و خصوص من وجه، يجتمعان في الأحكام العملية التي وردت بالكتاب أو بالسنة أو ثبتت بإجماع الأمة، و تنفرد الشريعة في أحكام العقائد، و ينفرد الفقه في الأحكام الإجتهادية التي لم يرد فيها نص من الكتاب أو السنة و لم يجمع عليه أهل الإجماع.