2. 2章249節

a.【岩波版】
 そも幾たび、小さな軍隊が、アッラーのお許しを得て大軍を撃滅したことか。

b.【中公版】
 わずかな軍隊が神のお許しによりいくたび大軍を破ったことか。

c.【ムスリム協会版】
 アッラーの御許しのもとに、幾度か少ない兵力で大軍にうち勝ったのではないか。

d.【黎明版】
 どれだけ(数々)の少ない衆がアッラーの御許可の下、多くの衆に打ち勝ったことか(※脚注)
 ※小勢が幾度となく多勢に勝った、の意。

e.【比較】
(1)【ムスリム協会版】の「幾度か」は明らかな誤訳。
(2)【黎明版】では「御許可」との訳語があるが、日本語の「許す」が罪の許しと認可の二つの意味を持つため、許可・認可の意を明らかにするため「御許可」と訳した。
(3)【黎明版】の「どれだけの少ない衆が」との訳文は亜文に最も忠実であるが意味が取りにくいため、括弧内に(数々)と付記し、「数々の少ない衆が」とも読めるようにした上で、脚注を付したものである。